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2015年6月16日(火曜日)

勝手にSPERIOクロニクル @対第一三共サッカー部戦

カテゴリー: - yamaneko @ 17時08分06秒

 スペリオ城北、第6節の対戦相手は第一三共サッカー部。

 リーグ戦での対戦は相当久しぶりです。スターティングラインナップは以下の通り。

 試合の経過はいつものように動画でご確認いただくとしまして、いやー、実に何とも、きわどい試合を演じてしまいました。

 後半ATに満城が成岡からのクロスをファーで詰めて決勝ゴールをあげることができましたが、試合終わった時、膝が震えましたよマジで。満城君は“何か”を起こすね。なんというか、以前城北に在籍していた選手で言うと、根立と川口を足して二で割ったような選手です。

第49回東京都社会人サッカーリーグ 第6節
2015/6/14 16:00
北区赤羽スポーツの森公園競技場

SPERIO城北 3 - 2 第一三共サッカー部

■得点者
‘12 小池
‘48 第一三共 #17
‘51 第一三共 #15
‘55 成岡
‘80 満城

■アシスト
満城1 小林1 成岡1

* * * *

 さてサッカーの試合中、しばしば「集中しろ!」という声を聞きます。これは選手もサポーターもよくかける言葉なのですが、私は以前から「集中しろ!」って言われるとかえって無駄に緊張しちゃうんじゃないかなー、とボンヤリ思っていたことがあります。

 そもそも「集中しろ!」と言われて、心の中でただ「集中!集中!」と唱えているだけでは念仏とさほど変わりません。何に対して集中していくべきなのかがわかっている必要があるはずです。

 そして「集中しろ!」というのをしっかりと言語化するなら、「今の局面で自分がするべきタスクに“集中しろ!”」ということであるはずですよね。

 つまり、まずゲームの局面を正しく認識して、自分の遂行するべきタスクがはっきりとわかってはじめて、それにむけての集中力というものが発揮できるようになるのだと思うのです。

 自分のやるべきことがわかれば、少なくともプレーを行う上での「迷い」はなくなりますし、迷いがなければ「不安」も生じず、プレー精度も向上する・・・はずです。チームでの戦術的な約束事を決める意義もここにあります。各自のタスクを明確にするのです。

 ただサッカーにおける状況認識というのは、ボールの状態、自分がマークすべき相手、その周囲にいる相手選手、近くの味方の位置、遠くの味方の位置、点差、時間帯など実に多くの要素から成り立っていて、しかもそれが刻々と変化します。

 さらに、こうした大局的な認識をベースに、自分の身体をどのように使ってどういうプレーを選択するか、というミニマムな選択も一瞬でしなくてはなりません。ものすごい情報処理量です。しかもそうした知的な作業を心拍数が150から180の間で上下する運動強度のなかで行うのです。すげー。

 と、いう訳で、こうした情報処理を行っていくためには、言葉を用いた「 思考 」では追いつけません。視覚で収集した大量の情報を一瞬で処理する「 直観 」が必要となります。直“感”じゃないですよ。直“観”です。

 だからこそ、ゲームの中で起きうる様々な状況を想定した練習の反復が重要なのですね。そうすることで< 認知 → 判断 → 実行 >という処理プロセスをパターン化して身体に落とし込み、< 認知 → 実行 > へと処理をショートカットすることができれば、プレースピードの向上につながります。

 また、「こういう時はこうする」というように、長年のプレー経験によって処理パターンを蓄積し、状況に対する多様な「解答」を多く持っているベテラン選手が貴重な理由もここにあります。

 さてしかし、人間の視野というのは、左右方向にせいぜい120度、つまり360度の三分の一程度しか見えないわけで、ゲームの全体状況を俯瞰で把握する、というような芸当はまったく容易なことではありません。だから常に首を振って多くの視覚情報を収集すると同時に、常に状況認識を最新のものに更新していく必要があるわけです。

 “大空のサムライ”として有名な日本海軍の撃墜王、坂井三郎は、

 「見張りは前が2、後ろが9。初心者は、撃つ前に後ろを見よ。上級者は、撃つ前に後ろを見ないですむよう周囲の状況を把握しておけ。」

 との名言を残しています。「2+9は11で、数が合いません」とか思った奴! 前に出ろ! 歯を食いしばれ! 生き残りたければ首を振れ、と言っておるのだ!

 えーと、途中でキャラが崩壊してしまいましたが、話を戻します。

 戦闘機での空中戦で一番危ないのは真っ直ぐ飛んでいる時だそうです。だからパイロットは常に機を横滑りさせたり、旋回したりして敵から自機を狙われにくくします。しかし、敵機を照準して射撃に入る時だけは、どうしても真っ直ぐ飛ばなければならないし、視線を照準器内の敵機に集中させなくてはなりません。しかも敵機の後にいることから、自分が“優位”に立っていると思っている。だから、実は周囲が見えず、油断が生じやすいこの瞬間が一番危ない。常に後に気をつけろ、というわけです。

 サッカーでも、イニエスタあたりの変態は別として、ボールを扱う時はやはり視線がボールに集中します。周囲を見られない瞬間はあるわけです。DFがボールホルダーに詰めてくるのも、こういう時ですね。そして人間の視界は限定されていますから、背後の動きはどうしたって見えない。こういう時は周囲の仲間が「声」で状況を教えてやらなくちゃいけません。

 やっと今日の本題に到達しました。長々前置きを書いてきましたが、先日の試合での城北のプレーの問題点は、「声が少ない」ということだと思うのですよ。

 私はいつも試合のダイジェスト動画を作っていますが、今回の試合の動画を作っていて、非常に興味深いものに遭遇しました。これは前半の給水タイムが終わってすぐのプレー。相手にPKを与えることになった危険な場面の音声がグラフ化された画像です。

 おわかりいただけますかね? サポーターも含めて、赤スポ全体が奇妙なほど「シーン・・・」としているのです。これ、いつもサポーターが馬鹿騒ぎしている赤スポでは本当に珍しいんです。まるでエアポケットのような一瞬でした。

 この局面では、モッチーには背後のFWの動きは視野に入りません。分かっていたらGKに任せようとはしなかったでしょう。「マノン!」でも「背負ってる!」でも「セーフティ!」でも、何でもいいから、周りが一声かければ、何事も起きない程度の局面でしかなかったはずです。

 それと後半、原田の横パスがカットされて同点に追いつかれたシーンですが、DFラインで横パスをカットされ、その後自分の背後から出てきた相手にボールを奪われて失点まで持って行かれたという結果だけを見れば、確かに原田のミスではあります。

 しかしこれを「個人のミス」として責任を一人に帰すべきではないでしょう。また同様に、「キリカエ!キリカエ!」とおなじみの呪文を唱えて問題点を放置してしまっても、成長には繋がりません。

 原田がボールを持った時、どれだけ味方がパスコースに顔を出してやれていたのか。

 原田にもっと安全な選択もあることを教えてやれていたのか。

 そこを省みてやる必要があるはずです。

 まず築からリターンを受けると、原田はボールをトラップしつつ周囲の状況を視認します。

 サイドに開いていく満城は見えますが、やや遠いか。築へのリターンは#17に切られていますし、#4がすぐに寄せに来そうなので苦しいパスになりそうです。

 そこで原田は切り返して逆サイドへの展開を試みます。切り返した瞬間に逆サイドでフリーの稲見が見えたはずです。

 このあと視線をボールに向けてドリブルします。

 パスを出す瞬間も視線は下。

 そのため、周囲の状況把握が更新されておらず、一瞬前のもののままになってしまっていて、パスコースを切ろうとして動いてくる#9の動きが認識できていません。原田がパスを出して顔上げた時、#9が目の前にいてきっと血の気が引いたことでしょう。さらに背後に置いてきた#17番が死角から飛び出してます。

 原田が初めに築からリターンを受けて、切り返してドリブルに入る間に、モッチーは原田の斜め後のフォローポジションを取るために動いていましたが、他の周りの選手は割と棒立ちになってしまっています。

 もっとマークを剥がしてパスを受けてやれるように動いてあげないと。

 ここでは田熊君がもう少し落ちて、受けに行ってやってもいいかも。田熊君も本職はサイドバックだから、同じサイドバックとして、ここは助けに来て欲しいのも察してやってほしいところ。

 そしてモッチーやホリケンは「下げてもいいぞ!」と原田に声をかけてやって、新しい情報を入れてやっていたかどうか。

 ここで再び第二次世界大戦における偉大な撃墜王の言葉を引用しましょう。

 「僚機を失った者は戦術的に負けている」

 これぞエースの中のエース、352機を撃墜したドイツ空軍のエーリヒ・ハルトマンの言葉です。彼は1405回の出撃の中で、一度も戦友を戦死させることはありませんでした。

 たとえ近くにいたとしても、連携が取れず、「チーム」として協力を実現できていなければ、孤立して一人で戦っているのと同じです。それはですでに「戦術的に負けている」のです。

 そして事故というのは往々にして「・・・だろう」という楽観的な予測に基づいて行動してしまう時に発生します。いわゆる「だろう運転」ですね。それに対して事故を防止するために重要なのが「かもしれない」という予測を持つことです。こうした予測に基づいてポジショニングを修正したり、味方にコーチングをかけたり、といった本当にごくごく基本的なことをもう一度改めて徹底することが、今後より実力のあるチームとの対戦が続リーグ戦では求められるはずです。何と言っても「サッカーはミスが9割」のスポーツなんですから。

 いや〜、対戦相手が第一三共だっただけに、いい“薬”になりましたねぇ(ドヤッ)

 って、全然面白くねーよ!

 とにかく、ホント、勝てて良かったよ・・・


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