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2015年6月2日(火曜日)

勝手にSPERIOクロニクル@新 日本人が知っておくべきSPERIO城北の3大ゾーンDF崩し

カテゴリー: - yamaneko @ 22時32分58秒

 前回のエントリでは何だか相手チームのことばっかり褒めてしまったので、今日はあらためて城北のいいプレーに注目していこうと思います。

 前回、割と「組織」 vs 「個の力」のような筋立てで記事を書いたのですが、城北が「組織」として相手の守備を崩せてなかった、という訳では決してありません。

 特に、後半の立ち上がりに3回のチャンスを立て続けに作った場面では、効果的な4-4-2ゾーンディフェンス崩しを行うことができていました。それをご覧いただきたいのです。(ダイジェスト動画だと3:35あたりからになります。)

 相手のフォーメーションがどうであろうと、最優先に攻略すべきスペースはDFラインの裏のスペースです。そして次がいわゆるDFラインとMFのラインの間、いわゆる「バイタルエリア」ですね。ただ当然ここは相手も注意深くケアしてますから、ここにいきなりボールを入れるのはなかなか難しい。

 そこで有効に使いたいのが

 機FWとMFの間。

 供SHとCHの間。

 ということになります。(本当はDFラインの裏、というのも細分化していくべきなのですが、今回は割愛)

■その1 後半1分:「間受け」

 画像の場面は、左サイドの小林築が原田にボールを戻し、さらにモッチーまで戻ってきたところです。

 相手の守備網のスライドが間に合わず、田熊が中央でフリーになっています。まずこれが≪帰笋FWとMFの間のスペースです。

 相手FWの守備への献身性にもよりますが、ここでは比較的楽にボールを保持できます。城北では成岡がボールを捌くことが多い場所ですね。

 このスペースを経由してボールをサイドに散らし、相手の守備のブロックをスライドさせていく。これをくり返せば相手は相当走らされることになって消耗しますし、スライドが追いつかないと、ゾーンDFの編み目が緩くなり、使えるスペースが広がってくることも期待できるでしょう。

 さて田熊がボールを持ったところで相手のCHが1枚田熊に寄せてきます。これはゾーンディフェンスのセオリー通りの動き。ただNTT DATAの4枚のMFはやや直線的になってしまっており、斜め後のフォローポジションには若干つくことができていません。

 そしてここで田熊はモッチーからのボールを遠い方の足でトラップ、体を使ってボールを相手から隠しながらターンして、前を向くことに成功します。ここで前を向けるのは実に大きいです。先ほど述べたとおり、MFのラインが直線的になっていて「深さ」がないため、ここで一人剥がされるとNTT DATAには<二の矢>がありません。前方にはがら空きのバイタルエリア。

 そして前を向いた田熊は即座にサイドに開いたヨネに展開。これは体の向きからも自然なプレーですし、何よりスピーディです。ヨネは稲見とワンツーから縦に突破。横(右)→横(左)→縦と矢継ぎ早にボールを動かして、相手のDFを大きく揺さぶっていきます。

 この時、稲見が使ったポジションが≪侠笋SHとCHの間、ということになります。ここで起点を作れれば、DFラインの裏のスペースの攻略まであと一歩、チェックメイトです。これがいわゆる「間受け」。ゾーンDFを破るために重要なポジショニングです。

 稲見の周囲のスペースが非常に広くなっているのがおわかりかと思いますが、田熊がマークを剥がしてフリーで前向いたもんだから、DFはラインを上げられないんですね。「ボールホルダーにプレスがかかっていない時はラインを下げる」、というのはゾーンDFの基本です。だからラインを押し上げてスペースを小さくすることができません。

 しかも、田熊がターンして顔を上げた時、稲見は右のヨネに向けて指をさしていて、自分は一番近いDFから数歩、離れる予備動作を入れてます。これで完全に4人のDFが構成する四角形の中でヨネからのボールを受けられる位置についたわけです。

 つまり私が強く訴えたいのは、「亮太はたまたまそこにいたわけではなく、しっかり意図的に有効なポジショニングを実現していたのだ」ということなのです。

 中央では小池がDFの背後を狙って視野から消える予備動作を開始しています。ヨネは相手DFに対処する余裕を与えず、ダイレクトでアーリークロスを中央へ入れました。これもいい判断です。小池はフリーでヘッダーを打ちますが、枠を捉えられませんでした。

■その2 後半3分:「縦パス」と「ギャップ」の活用

 中郷が前線に送ったフィードをNTT DATAのCBが跳ねかえして城北陣内まで戻ってきます。画像は、このボールをヨネが自陣から前線の小池にダイレクトでクサビを入れようとしているところです。

 さりげないプレーに見えますが、ヨネのビルドアップのセンスはさすがです。これで中盤の守備者は全員置き去りになりました。ゾーンDFが敷く守備の網を突破する上で、やはり縦パスは不可欠です。

 さらにこのクサビを受ける小池の動きが実にいい。

 少し自陣方向に降りながら受けるのですが、この動きにマーカーが付いてきます。というか、DFラインの前、つまりバイタルエリアで自由にクサビを受けるのを放っておくわけにはいきませんから、付いていかざるを得ないのです。

 すると当然DFラインにギャップが生じることになります。本来、DFが一枚前に釣り出された時には、周囲の選手が中に絞ってカバーに入らないといけないのですが、ヨネのパスの展開が早すぎて、その動きが間に合っていません。この裏のスペースを狙って満城が走り出そうとしています。

 さらに、小池はこのボールをフリックで後ろのスペースに流します。ゾーンで守るDFラインには必ずこうしたギャップができることを見越した素晴らしい判断です。満城は左サイドの築にパスを出して築がシュート。これは枠を外れましたが、素晴らしい速攻です。

■その3 後半4分:「フリック」

 画像は築のシュートが外れ、相手のGKからリスタートした場面。ゴールキックをモッチーがヘディングで前にはじき返そうとしているところです。

 ちなみにこの場面では、城北のDFラインは理想的な3-1のカバーリングを行うことができています。このクリアボールがバイタルエリアにいる小池まで通ります。

 クリアを単なるはね返しで終わらせず、味方に繋いだモッチーも素晴らしいのですが、やはり小池の事前のポジショニングも素晴らしい。動画で確認すると、GKがキックの助走に入った時に、数歩動いてしっかりバイタルエリアの中央にポジションを移しているのです(この時満城が前線に張ってDFラインを牽制してくれているので、小池が浮いた位置を取ることができている)。そしてこのボールを再びフリックして成岡に流します。

  「縦のスピード」を強調するハリルジャパンもフリックやスルーを多様する傾向があることからもわかるように、フリックは攻撃スピードを加速させることを可能にします。これは敵の守備陣形が整う前に攻撃を完遂するための、非常に有効な武器だといえるでしょう。

 ちなみに、ゾーンディフェンスを崩す上でのフリックの重要性について、サッカーライターの西部謙司さんが次のように解説しておられます。

 ・・・なぜフリックが決定的かというと、ゾーン攻略の定石である「間につなぐ」は諸刃の剣だからだ。確かにゾーンには隙間が生じやすく、そこへつなげば守備のズレとスペースが生じやすい。しかし一方で、守備側はボールを受けた選手を囲い込んでの奪取を狙っているのだ。「間へつなぐ」は肉を切らせて骨を断つ攻め方で、守備の網が収縮しきる前にボールを逃がさなければ、文字どおり網に絡め取られてしまう。(中略)
 ゾーンの隙間にパスを入れても、普通に止めてパスをするだけではカットされる危険も大きい。攻略の定石となっている「間へつなぐ」パスワークで、フリックは非常に重要なテクニックになっている。
(西部謙司,『サッカーで大事なことは、すべてゲームの中にある』14p,出版芸術社,H25)

 この場面などまさしく、ワントラップしてボールをコントロールしようとすると周囲のDFに囲まれてボールを奪われる危険も大きくなります。ですから、ここでのフリックの判断はやはり適切だし、何と言っても、このプレーでバイタルエリアで前を向いている成岡にボールを渡すことに成功したわけです。

 ここでNTT DATAのCBは、ボールがフリックによって斜めに動いたこと、そして満城が一度外に向かって抜けようとする予備動作を入れたことで、意識と体重を外に向けざるを得ませんでした。いわゆる「矢印が出てる」状態になっています。それを見越して成岡はその背後にスルーパスを通すのです。相変わらずドSですね。

 ボールはコロコロとゆっくり転がっているのに、DFは体重移動に時間がかかり、このボールをカットすることができません。その後は満城がGKと一対一となりシュート、しかしこれは惜しくもクロスバーに当たってしまいます。

 と、スペリオ城北は実に効果的、かつ組織的に相手の守備を破ることに成功していたのだと、有権者の皆様に、強く訴えたいのであります。

* * * * 

 ただ・・・

 こんだけチャンス作ったんならちゃんと決めなきゃダメじゃない!!(byマツコデラックス)

* * * *

 とはいえ、成岡のFKは別として、相手の攻守の切り替えの瞬間を付いた田熊の2点目、満城の引き起こすパルプンテな出来事から生まれた3点目&4点目、築がFKを素早くリスタートして、相手に準備する余裕を与えなかった5点目、組織で守る相手を崩すには、

 「ピッチ上に組織が想定してないカオスを作り出す」

 という4つめの手段がとても重要、ということになるんでしょうね。

 尻切れトンボになっちゃいましたが、このへんで。

 
 

 

 


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